Off Topic #115
特別回 SaaSモデルは進化し続ける with ALL STAR SAAS FUND 前田ヒロ- Off Topic #115

2022-05-26 Thu.

このページは、ポッドキャスト番組Off Topicを個人的にまとめたページです。

Summary

  • 要点の箇条書き
    **SaaSは何年くらい前からあるのか?また何回か世代交代があるかと思うがその解説をぜひ(宮武さん)**
    - SaaS誕生の瞬間
    - 23年前
    - 1999年にSalesforce
    - 昔のソフトウェアはCDでインストールしていた
    - 1万人の会社が従業員のPCにインストールすると1億円以上かかる
    - アップデートするときにも新しいCDを買ってインストール
    - インストール用のCDを売るというビジネスモデルだった
    - 99年のクラウドの普及
    - メインフレームのコンピュータから、1人1台の時代になった
    - クラウドを通じてソフトウェアを配信できるようになった
    - デスクトップPCが普及して、ソフトウェアがオンプレからクラウドに移行した
    - ここでSaaSの概念が始まった
    **それがSaaS1.0だとして、1999年からどのくらい続くのか?(宮武さん)**
    - 2006年くらいまでがSaaS1.0
    - そのあと2013年までのあいだにいろいろなサービスが生まれてきて、それがSaaS2.0
    **SaaS1.0と2.0ではなにが変わったのか(宮武さん)**
    - SaaS1.0から2.0の変化にソーシャルの背景が
    - SaaS1.0ではソフトウェアがオンプレからクラウドになっても売り方は変わらなかった
    - 営業が会社訪問して説明をして説得して販売
    - 基本的にはトップダウンで会社に導入された
    - SaaS2.0で、ソーシャルが普及した
    - Facebook、YouTube、Twitter
    - ソフトウェアを知るきっかけが変わった
    - 小さい会社や個人がSaaSを知って使うようになった
    - SMBという市場が伸びてきた(中小企業・Small and Medium Business)

    - アダプションの革命!/ Slackが革命的な存在である理由
    - SaaS2.0はアダプションの革命
    - SMB向けのSaaSが増えてきて、ソーシャルの認知経路により、これまでトップダウンで導入されていたSaaSが、ボトムアップで使われるようになった
    - SlackやZOOMは、個人でも少人数でも始められる、低単価、無料で始められる
    - Twilio Notion Zoom Shopify

    **ボトムアップ型でいうと、Slackが代表的だと思いますが(宮武さん)**
    - Slack
    - Slackは代表的だし、革命。
    - SaaSにはネットワーク効果がないといわれていた
    - コンシューマ向けアプリのような、利用者が増えるほど価値が上がるような要素がなかった
    - Slack、Zoomがコンシューマっぽいネットワーク効果の要素をBtoBの世界に作っていった
    - 革命的だったのはSlack Connect
    - SaaSは一つの会社内に導入するものだった
    - Slack Connectによって社外の人と共有チャネルを作ることができる
    - ネットワーク効果が高い
    **そういう意味では2段階のネットワーク効果ですよね。社内のネットワーク、そして社外とのネットワーク。(宮武さん)**
    **Salesforceが買収したのもわかりますよね(宮武さん)**
    - Salesforceの買収
    - 残念という思いもあるが、めちゃくちゃわかる
    - 会社の中に侵食するネットワーク
    - Slackがタッチポイントを作り出す
    - 最強のボトムアップ
    **Slackが売却した理由は何だと思いますか?(宮武さん)**
    - ミッションコントロールな場所
    - Slackの付加価値のひとつはミッション・コントロール
    - Github連携、Salesforce連携、Hubspot連携など
    - 社内で起きている情報がSlackの中に集約されていく
    - Slackとしてはできる限り深いインテグレーションを主流なSaaSと強めていきたい
    - Salesforceの存在は無視できない、というのが理由の一つだと思う

    **2006年からSaaS2.0が始まったとして、いまも2.0なのか、もっと進んでいるのか?(宮武さん)**
    - フィンテックの大きなトレンド
    - いまSaaS2.5くらいだと思ってます
    - もともとSaaS2.0はSMB向けのサービスが多いので単価は上げられない
    - 単価を上げるためにはお金の流れを押さえたい
    - 手数料など
    - Shopifyの決済も売り上げの半分以上
    - Square、Toastなども同様、決済などFintechの要素が出てきている
    **ではSaaS2.5がFintechを絡めるものとして、Shopify Payはクライアントが伸びるとShopifyも伸びる。そのようにクライアントとインセンティブが揃うという要素もありますか?(宮武さん)**
    - Usage-based pricingの良さ
    - まさにそうで、お客様が得られている価値と比例して課金が増えていくモデルが理想的
    - 全く価値を得られていないお客様は全く払わなくてよい
    - 100億円の価値を得られているお客様は、それなりの対価を払ったほうがよい
    - 決済は流通総額なので、その何パーセントをとる、というわかりやすい体系
    - Usage-based pricing、利用した分だけお金を払う。
    **Shopifyは2004年に設立されて、最初の9年くらいはSaaSのみ、2013年くらいからShopify Payments、2016年からレンディング(融資)、2020年からバンキング、まさにSaaS1.0-2.0-2.5をいってるなと(宮武)**
    - Fintechのトレンド
    - まさにShopify自身がSaaSと共に進化してますね。
    - お金の流れを押さえるのはお客様にとってもいいこと
    - SaaSのベンダーと決済のベンダー、資産管理のベンダーを分けたくない
    - 1個のプロダクトで一元管理できたほうがありがたい
    - なのでお客様の満足度を高めたいとなれば、Fintechをやるのは必然的
    **アメリカだとFintech専用のサービスもいろいろ出てるけど、日本のSaaSはいまどれくらい?(宮武さん)**
    - 日本のSaaS
    - ほとんどまだSaaS1.0の領域に入ってます
    - 理由としては、まだまだSaaS1.0のサービスで満たされていないお客様が多い
    - バーチカルSaaSでいうと製造業やホテル業界、配車、バス、産業廃棄物業界など
    - けっこうまだまだ満たされていない領域がある
    - それらがSaaS化してから、2.0へいく
    **全体的にみると、クラウド化はまだまだされてない。エンタープライズIT予算の10%-15%くらいしかクラウド化してない。ただ、クラウド化の数は増えている。そうなると、SaaSとSaaSの連携とか自動化というサービスが出てきますか?(宮武)**
    - クラウド化と満たされていないニーズ
    - でてきますね。
    - いろいろなところにデータがサイロ化されていて、それを連携することで新たな価値を生み出す
    - ワークフローもシームレスがいい
    - 1つのアプリで稟議を上げて、別のアプリで申請して、っていうのはめちゃくちゃ面倒
    - 1個のUI、1個の画面で簡単にシームレスに進めたい
    - Zapier、Oktaなど連携を軸にしたSaaSが出てきている
    **SaaS3.0、Fintechの次はどういうSaaSになるのか?(宮武)**
    - SaaS3.0とは?
    - はっきりとはしていないが、その中の一つはオートメーション
    - アメリカではヘッドレスSaaSという
    - 要するにインターフェースを持たないSaaS
    - 複雑な仕組みを裏側で自動化する
    - たとえばロブという会社は、印刷と配送をAPI化する
    - 面倒な処理が多い印刷も配送を自動化する
    - どこで印刷されるかは知らなくてよい
    - どういう風に配送されるかも無視してよい
    - チェッカという会社はバックグラウンドチェックをAPI化する
    - バックグラウンドチェックもいろいろな手続きが存在する
    - Uberなどギグワーカーが多いと大変
    - APIのワンコールで全部できちゃうのが便利
    - 面倒くさい、複雑、考えたくもない、ということをAPI化するヘッドレスSaaSが3.0の流れの一つだと思う

    - またIoT分野でも、トラックなど工業用のマシンのメンテナンスをアシストするIoTデバイスも出ている
    - SaaS3.0は、APIやIoTデバイスや過去の分野との組み合わせなのかなとも思う
    **過去のOffTopicでも、テックリテラシーの高い人は別のものを選択するかもしれないが、結局マスのマーケットをとるのはMicrosoftという話をしたがどう思いますか?(宮武)**
    - マイクロソフトまじ強い
    - エンタープライズが抱えている課題を全部解決しているんじゃないか、というくらいプロダクトラインナップがすごい
    - AsuleもあればOffice365というなんでもできちゃうバンドルもある

    - エクセルユーザー10億人!?
    - 数字を読み間違えたんじゃないかと思った
    - 日本の人口の10倍?
    **10億人というと、iPhoneの数と同じくらいですね(宮武)**
    - そう聞くと、あまりおかしくはないですね
    - エクセルとiPhoneは同じくらい普及していると
    - そのエクセルユーザーの数だけ、Teamsが入っている、Wordが入っている、Officeが入っているというバンドルの強さはやばいと思いますね
    **エクセルをリプレースするツールって出てきてますが、結果、エクセルのほうが課題の8割~9割解決してくれるのでなかなかリプレースしづらい。ただ、AirtableやNotionなどもどこかでMicrosoftと闘わなければいけない。そういう会社にとっての勝ち筋はどこにあるんですか?(宮武)**
    - こだわりのあるコミュニティを作り出す
    - Microsoftが提供できてない付加価値をどんどん強めていくしかない
    - NotionはコラボレイティブにイントゥイーティブにWiki、情報管理、共有がしやすい設計
    - それが好きな人は絶対Microsoftを使わない
    - そういうこだわりを持ったコミュニティを見つけたり作って、大きくしていく
    - Youtubeで検索すると、Notionの解説動画がたくさん出てくる
    - Notionのアーリーアダプター層のひとつはプロダクティビティ・グルだと思う
    - そのコミュニティを大きくしていく
    - Airtableも同じく、エクセルではできない、ダイナミックに編集できるところが強み
    - そういうユースケースを求めるユーザーコミュニティを大きくするのが戦略のひとつ
    - でも、そういうこだわりを持っていないユーザーにはMicrosoftはめちゃくちゃ強い
    - とにかく最低限のニーズを満たしたい企業はMicrosoftを選ぶ
    - 安くて簡単でなんでも入ってるので、1つのベンダーで全部のソリューションを解決したい企業にはベスト
    - そうではなくこだわりを持って選択したい企業はNotionを選ぶと思う
    **いま、大半の企業はMicrosoft寄りだが、これから変わるんですか?Microsoftが強いことがリスクになることってあるんですか?(宮武)**
    - Microsoftか否か
    - こだわりをもったユーザーがどんどん増えて、大きくなるという仮説を持っています
    - なぜかというと、例えば一個の会社がものすごい成功するとして、その会社がどうやっていたかを知りたがる
    - その会社がNotionを使ってた、Airtableを使ってたというと、まずはそのプロダクトから真似しようとか、SaaSのスタックから真似しようという流れが出る
    - 最先端のイケイケの会社が何をしているかを見て、その会社を真似しようという会社が出てくる
    - SalesforceやSlackとかAppleもそうだが、こだわりを持った会社はMicrosoftだけでは満足していないと思う
    - そういう企業にとってSaaSプロダクトが必要で、スタートアップも生まれてきている
    - Microsoftでいいやというグループとこだわりを持って最先端でやりたいというグループの二つに分かれて、両方とも大きい市場になっていくと思う
    **確かにMicrosoftのシェアは落ちてきていると思う。最先端の会社を真似したいのもあるし、その会社を卒業した人が、最初からMicrosoft以外のプロダクトを選ぶ。Slackとかはまさにそうで、前の会社で使ってたからそのカルチャーごと持っていくということがありますね。(宮武)**
    - Slackの強み
    - ちょっとまえはSlackがTEAMSにつぶされるんじゃないかという話もあったが、つぶされないと思う
    - どのエンジニアに話しても、みんなSlackがいいという
    - いろんなAPIと連携できるし、会社のなかでもエンジニアの重要性が高まり、エンジニアの意見も通るようになっている
    - なので、エンジニアさえ押さえれば、Slackは普及する

    **唯一、Discordが強いと思う。無料だし、連携もできるし(宮武)**
    - SaaS企業にとって文化の重要性
    - Discordはいい文化を持っている
    - やっぱり会社のカルチャーは大事
    - みんながモラル高くやっているかどうか、チャレンジングにやっているかどうか、生き生きとやっているかどうか
    - そういう組織の状態がそのままサービスに反映される
    - 社内がピリピリしていると、サポートからも伝わる
    - 投資検討するときはカルチャーをかなり見ている
    **Microsoftはバンドル戦略だが、Ripplingなど複数プロダクトを作る会社も出てきていて、そういう戦略も有効的なんですか?(宮武)**
    - 複数プロダクトを持つという戦略は有効的?
    - Ripplingも実は投資先で
    - メイクセンスする場面
    - SaaSが増えていることもあって、情報連携の課題も多い
    - 人事データはつながっていたほうがメリットが高い
    - 労務のデータ、評価のデータなどが別々にあると決断が出しにくい
    - そういう面ではバンドル戦略が有効
    - 一方で、つなげてもメリットがないデータもある

    - SMB向けでもバーチカルのバンドリング化がでてきている
    - 決済、予約管理、従業員の支払いなどを連携する
    - 店長からすれば、いろいろなプロダクトを入れたくない
    - 1個のサービスでバンドリングして使いたい
    - そういうシーンではバンドリングの意味がある
    **Ripplingのパーカーさんのコメントを見ると、Salesforceを競合とみている発言があるが、本当はMicrosoftなんじゃないかと個人的に思う部分がある。Microsoftはアイデンティティレイヤーもあるので(宮武さん)**
    - Microsoftもあると思います。SalesforceもまたMicrosoft的な考え方があったりしますし。
    **全体の市場としては、2021年のピークからは悪化、GAFAがいなければSaaSは下がっている。ただ、もともとの平均値に戻ったのかとも思えるが、そうですか?(宮武)**
    - SaaS企業のバリュエーションどう見る
    - 2021年のピーク時は、平均マルチプルが20倍、いまは8倍。
    - コロナ中のマルチプルは異常値だったと思う
    - リモートワークの普及、DXの普及など同時に起きたのでSaaSの需要が上がった
    - 一方でいまは下がりすぎ
    - 1Qの決算はけっこうよかったので、まだまだ普及、加速する傾向
    - SaaSのビジネスモデルが証明され始めた
    - Adobe、Salesforceなどフリーキャッシュ平均30%くらい出している
    - 1000億の売り上げがあると、300億がフリーキャッシュ
    - これはなかなか存在しないビジネスモデル
    - これは追い風になっていると思う
    - コロナ中のピークと下がっているいまとの間くらいに着地すると思う

    **株価と会社のパフォーマンスは必ずしも連動しないと思う。市場の動きや社会の動きと連動していまは下がっているということもあると思う。VCとしてみると、株価ベースでみると、レイターステージのバリエーションに一番影響を与えるが、全体的にみるとアーリーステージのバリエーションは上がっている。これはSaaSでも同じですか?(宮武)**
    - あまり変わっていないと思う
    - たしかにレイターは引っ張られている部分はある
    **世界で1000社のユニコーンがあって、300社のSaaSのユニコーンがいます。アメリカで100社ちょっとしかテック企業が上場していない。上場しきれない会社が増えていくのではないか?そうなるとM&Aが増えていくのでは?(宮武)**
    - SaaSのM&A
    - M&Aは加速すると思う
    - いまの株価は下がっているので、買い時ではある
    - 直近のラウンドをどれくらいのマルチプルで調達していて、その成長率とバーンレートがどのくらいか、で上場できるかどうかが見えてくる
    - じっさいにはレイオフも起きているので厳しくなるかもしれない
    **次のエンタープライズ系のユニコーンはアメリカ以外からも出てくると思いますか?(宮武)**
    - 日本でもARR100億SaaS企業が生まれるか
    - 5~6社存在している
    - インド、イスラエルなどの市場も大きい
    - まだまだあるという気がしています
    - ソフトウェアの4割がSaaS、日本は1割未満
    - 2032年にはソフトウェアの9割がSaaSになるというベッセマンの予測もあるのでまだまだ伸びると思える

Comment

memofleet

  • 2022-05-30 Mon.

前田ヒロさんを迎えてのゲスト回。
SaaS以前の時代は懐かしいです。
CD-ROMを購入して、プロダクトキーを入力してインストールしてました。
(絶対になくしてはいけない)
いまから思うと大変で、クラウド化してよかったです。
実は3人とも知り合いで、冒頭からの雰囲気も楽しそうでした。

特別回 SaaSモデルは進化し続ける with ALL STAR SAAS FUND 前田ヒロ- Off Topic #115

Off Topic #115
Original : 2022-05-26 Thu.
memofleet : 2022-05-30 Mon.

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