Off Topic #83
Bored ApesやCryptoPunksに秘めたNFTアバターの可能性- Off Topic #83
2021-09-16 Thu.
このページは、ポッドキャスト番組Off Topicを個人的にまとめたページです。
Summary
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要点の箇条書き
アートだけじゃないよ!N・F・T!
- ディズニーの株券
- 昔はdisneyキャラクターの絵が描いてあった
- 株券のデジタル化により絵がなくなった
- 2014年、株主だけが購入できるコレクタブルを出した
- disneyキャラクターの絵が描いてあるカード
- NFTでも株でもないが、特定の人しか購入できないコレクタブルの事例として
- **NFTがアクセスキーになる**
- NFTコレクタブルはだいたいDiscordコミュニティで展開される
- 特定のNFTをもっていないと入れないコミュニティもある
- NFTアバターを鍵として使っている事例
- RTFKTのスニーカー
- 特定のNFTを購入すると本物のスニーカーと交換できる
- スニーカー本体を持つ代わりにNFTを持つという事例
- デジタルで管理できる
- スニーカーを作る側としても、作ったり配送したりするコストが抑えられる
- ロイヤリティプログラム
- よりエンゲージメントしたユーザーにNFTを与える(トークン)
- 新しいプロダクトを発表するときにFBした人にNFTをあげる
- ウォレット
- メンバーのメタマスクのIDを知っていれば、NFTを送ることができる(AirDrop)
- クーポンをNFT化して送ることができる
- そのほか
- ブランドに関連性のあるNFTをサプライズとして贈る
- コラボレート先のブランドのコミュニティアクセス権を持つNFTを送って、参加してもらう
- NFTアバターを共同購入してみた
- コレクタブルNFTを部分投資するサービスがある
- パーティービット
- 少しづつイーサリアムを出し合ってNFTアバターを購入するしくみ
- クリプトパンクの1体を共同購入した
- **NFTアートプロジェクトの作り方**
- NFTアバターは限定1万体を作ることが多い
- ベースのデザインがまずある。BoredApresならサルの顔。
- これに特徴を作る。目の形、髪型、ひげ、服の色など。
- その特徴ごとに出現率を決めて、レア度を設定する。
- 1万体のアバターのうち、帽子をかぶれるのは10%の1000体、など。
- クリプトパンクのもっともレアなものは肌の色が宇宙人(グレイ)、9体しかいない。
- 人気のプロジェクトの差
- NFTアバターを作る前に、そのNFTプロジェクトのDiscordサーバを作る
- Discordコミュニティで、NFTアバターに関するストーリーなどを展開する
- 過去に人気なNFTアバターを作った人が、新たなNFTプロジェクトのコミュニティを作ったりすると盛り上がる
- Discordコミュニティを盛り上げてから、NFTアバターを公開する流れになるので初期のコミュニティ作りが重要
- Discordと合わせてWebサイトも作る
- しくみ
- Webサイトでデジタルウォレットを接続すると、NFTアバターをミントできる
- NFTアバターの値段の相場は1体0.05ETHと手数料で3万円~4万円
- NFTアバターがミントされるときに、ランダムで特徴が決定する
- 必ず2体買うとよい
- 1体しか買わないと、売れなくなる
- NFTアバターはそのコミュニティへのアクセス権でもあるので、売ってしまうと入れなくなる
- **bored apesとは?**
- みんなが年をとってサルみたいになるのかな、という発想からApeにした
- Apeはクリプト業界ではよく使われる言葉
- 持っているお金をひとつの仮想通貨に全投資することを「**Aping in**」という
- BoredApesは2021年4月23日にプレ・ローンチされた
- ただ、その時点ではどんなデザインなのか見えなかった(ミントしてみないとわからない)
- 4月30日に本ローンチしてデザインが見えるようになるまで、数百しか売れなかった
- BoredApes以前のNFTアバターはクリプトパンクのようなビットアート風だった
- BoredApesのストリート・アート風なデザインもよかった
- ミントした人がPFP化することで広まった(SNSのアイコン)
- すぐに売り切れて、二次流通で価格が跳ね上がった
- 4月末からの7日間で、67億円相当の売買が行われた
- 平均価格は$190K(2000万円くらい)
- オークションのササビーでBoredApesのコレクション101体が売られた
- 落札価格は$24.4M(2021年9月くらい)
- これを単純計算すると、BoredApes10,000体の総額は$2.4Bになる
- **BoredApesがなぜ面白いのか**
- 世界観の作り方、ナラティブが上手い
- ナラティブ=いろいろなストーリーの組み合わせにより世界・価値をつくること
- 1900年代、アメリカ人がフランスのアート作品を購入していた
- フランス人はこれを嫌がっていた
- 第1次世界大戦が起きる前で、フランスとドイツは関係悪化していた時期
- 1911年の8月21日、ある3人の男性がルーブル美術館の作品を盗んだ
- 1860年代まであまり注目されていなかった作品「モナ・リザ」
- 当時もあまり有名な絵画ではなかった
- 盗まれてから28時間後にようやく発覚した
- ルーブル美術館が新聞などを使って盗難されたことを告知した
- 全世界の60人の探偵が犯人を突き止めようとした
- アメリカの会社JPモルガンや、ピカソまでが容疑者になっていた
- 28か月後に戻ってくることになった
- この事件で、「モナ・リザ」は世界的に有名な絵画になった
- **BoredApesのナラティブ**
- デザイン
- WebサイトにはBarが描かれている
- Barの中にトイレがある
- ここにはアクセスキーを持った人だけが入れる
- BoredApesのKennel Clubを作った
- **ペットをつくれるようになったよ**
- BoredApesの世界で犬のNFTをミントできる
- 売り上げの一部をBoredApesがアニマル・シェルターに寄付する
- 最初の6週間で1億円くらい寄付している
- ペットの概念を作ったことで
- 本体のApesを手放さずに、マネタイズができる
- 新しいキャラクターが生まれる
- 自分のアバターを新しくミュータント型にできる
- Type1からType3までの3つの液体があって掛け合わせによってレアなキャラクターが生まれる
- 液体もひとつのNFT。
- 掛け合わせてできたキャラクターは、元の要素をすこしだけ継承するしくみ
- **商用利用**
- キャラクター(NFT)の所有者は、これを商用利用できる
- 勝手にグッズを作ってもよい
- 自分が買ったキャラクターでビールのパッケージを作ったビール会社がある
- 自分のApeを使ってコミックを作った人もいる
- コミュニティが作るIP
- ライターズルームというコミュニティが存在する
- BoredApesのNFTを持っている人だけが入れる
- キャラクターを使ってコミックを作る、映画を撮る、などのアイディアを投稿する
- 場合によってはそのアイディアに資金を投下する人もいる
- また、自分の持っているキャラクターをライセンスして売り上げをスプリットする、などもある
- **ボトムアップの世界観作り**
- トップダウンで与えられたストーリーとともにコミュニティが世界を作っていく
- DreamSMPのナラティブと近い
- NFTを持っている人たちがその価値を高めていく
- BoredApesはアバターベースでのコミュニティ
- DiscordやTwitterなど、既存のSNSのどこにでもいける
- 既存のSNSはフォロワーベースなので、TwitterからInstagramへ移行することは難しい
- **LOOT**
- Vineの共同創設者 Dom Hofmann氏が作ったNFTコレクション
- 2021年8月のクリプト業界はこの話題ばかり
- BoredApesは「家」を渡されている状態だとして
- LOOTは家ではなく「レンガ」を渡される
- まず8000個のNFTが配布された
- 黒背景に白い文字を書くだけのNFT
- 武器や鎧の名前を8つ書く(8つのアイテムがそれぞれNFTになっている)
- ローンチして5日後に$46Mの取引が行われた
- LOOTの可能性
- テキストだけだから、だれでも世界観を作ることができる
- 二次創作
- 書かれたテキストをベースに画像を生成するしくみ
- キャラクターを作る
- ゲームを作る
- トッププレイヤー
- Dom Hofmannさんのプロジェクトということもあり、Axie Infinityの創業者などクリプト業界のトッププレイヤーが参加している
- あたらしいサービス
- 8つのアイテムがそれぞれNFTなので、これをばらしてトレーディングできるサービスも作られている
- そうなるとこのアイテムをゲームに取り入れることもできる
- 勝手にいろいろ作れる
- 元となるのはテキストで書かれたアイテム名
- テキストだけなので、拡張性が高い
- ゲームも画像も勝手に作ってよい
- ボトムアップの究極なアプローチ
- 拡張
- 最近、MLOOTが100万個追加された
- 合成LOOTも追加された
- ウォレットを持っている人に与えられるもの
- これにより3つのゲートウェイが開かれた
1. 初期LOOT:8000人が対象
2. M LOOT:100万人が対象
3. 合成LOOT:だれでも対象
- 結局、これらを使ってなにをしてもよくて、創業者のDomさんが何かをコントロールするわけでもない
- コミュニティが何をするか決めて、何を作っていくのか?で価値が決まっていく
- 完全にボトムアップな方法
- 昔からコミュニティがIPを作る手法はあった
- ファン・フィクションから生まれた映画や、本体ゲームのModから派生したゲームなど
- これをNFTの世界でどうやってやるのか、LOOTが挑戦している
- メタバースにむけて
- 自分のBoredApesアバターの3D版を作る機能を作っている
- ゲームの世界に自分のキャラクターを登場させる想定
- EpicgamesはおそらくFortniteにメタバース要素を組み込む
- Fortniteのデジタルスキンの売り上げは$3B~$5B
- これはプラダと同レベル
- デジタルファッションの市場はおそらくリアルなファッション市場よりも大きくなる
- ポップカルチャーが今後どれだけNFTを受け入れるか
- クリプト業界の調査によれば、最初に買ったNFTの78%が、NBAトップショット
- 投資としてのNFT
- ほとんどのNFTプロジェクトが失敗するので投資としてやるならしっかり勉強しましょう。
- いいクリプト業界のDiscordコミュニティに入ること
- BoredApesはすごく成功している事例
- ナラティブ、コミュニティなど、見た目のデザイン以外もしっかり作られている
- **結論**
- NFTプロジェクトも、おもちゃのように見える
- LOOTもぱっと見では何もわからない
- いま立ち上がっている会社も来年ユニコーンになっているかもしれない
- インターネット自体がもともとおもちゃのようなもの
- インターネット基盤技術がある上にアプリケーションレイヤーが生まれて
- AmazonやUberやAirBnBなどのユースケースが出てきて、すごい価値を生み出した
- NFTもいま同じ状況で、いろいろなユースケースが表れ始めた
- むかしだと、どうやってデジタル化するか、インターネット化するか、ということを考えていた
- いま、どうやってブロックチェーン化するか、NFT化するか、どういう風にトークンを入れ込む事業にするかを考える時期になった
- 分散化されたプラットフォームは、会社だけが儲かるものではなく、ネットワークに参加した全員になんらかの報酬がある
- これが次のインターネットの見え方になる
- その一環としてメタバースというものがある
- その基盤技術として、NFTとかWeb3というものが出てくる
- 「分散化した〇〇」というサービスがこれから出てくる
Comment
2021年のNFT回の後半のまとめです。
Bored Apes初期(と言ってもまだ1年…)に解説されたNFTのユースケース。
LOOTもローンチして2週間くらいのタイミングでした。